こわらべ恋ダンス ~ 8月の花童
8月4日、湧々座定期公演の2回目
まずはサムネイル代わり
河童のきみちゃん
午前と午後2回公演なので、1回目はカメラなしで舞台を観賞するつもりだったけど、この2人の河童があまりに可愛くてーーー 後は撮りまくり
そういえば、美空ひばりさんの映画デビュー作は河童の子だったなあ、などと思い出したりする
この日の演目はこれ
クライマックスは『北岡祇園夜曲』
ラストは湧々座の定番、観客の歌と手拍子で『くまもと音頭』
それ以外の演目は全て2人1組の踊りーー私は今回のテーマ、「ライバル対決」と見た
まずは『友白髪祭りの賑わい』
現在のザ・わらベの2トップ、あかねさんと ゆりあさん
二人で次々と大ネタにチャレンジし、成長振りが目覚ましい。この日も難しい演目、最初は賑やかに踊りつつ
ラストは老人(友白髪)となって演舞を終える
もう一つ、この演目の見所は、あかねさんの
ひょっとこ と
おかめ
お面をつけると、その者が乗り移ったように身のこなし、身体の表情が変わる。達者になったなあ
『水の上』
花童のレジェンド、くるみ(月若)さんと あやの(月桃)さん。この演目も安定した仕上がり。この二人、踊る姿が対照的だ。すらっと背筋を伸ばした くるみさんは一輪差しのように華やか、一方の あやのさんには踊りに柔らかな丸みがあり、ポケットに入れて持ち帰りたいような愛らしさがある
この二人の演目で私が観たいのはYoutubeで観た『天神さん』。これは くるみさんが粋な女将さん、あやのさんが演じるのは、子狸である(笑)
『民謡七福神』
ガラスのハート、れいなちゃんには芸達者のみことさんを当ててきた
れいなちゃん、いつもに増して表情がキリリと引き締まっている。年長のみことさんとがっぷり四つに組み合っている気迫を感じた
三部に移って『肥後の殿様』
こわらべの2トップ、かなちゃんvsゆうあちゃん
この二人の踊りも対照的だ。ダイナミックな かなちゃんと所作のーつーつが日本舞踊の申し子のような ゆうあちゃん。来たるべき花童の黄金時代を予感させる二人だ。ちなみに私は演舞を観ているだけで、この娘たちの性格を知らない。ホンキで怒ったらどっちの方が怖いだろうな?と思ったりする
『伊勢音頭』
みことさん再びの登場は あやかちゃんと。あやかちゃんをYoutubeで初めて観たのは、やはり みことさんと二人での『祇園小唄』だった。カチカチに緊張して、中腰の姿勢に耐えきれず膝がぶるぶると震えていた。いつも全力で踊るから身振りも大きい。この日の演目はアップテンポ、全力で跳びはね、腕を振る
全力だからこそ、この娘の技量は確実にアップしていくことだろう
『磯節河童』
こわらべの純正アイドル・きみちゃんは同い歳の すずちゃんと。ずっと末っ子キャラだった きみちゃんも、今は5人目のこわらべ、すずちゃんとコンビになることが多い。更にその下には準こわらべが控えている。末っ子はお姉ちゃんになっていく。幼い故に可憐だった きみちゃんはやがてお姉さんとしての可憐さを身に付けていくのだろう
ちなみに、午後の部では準こわらべちゃん達が最前列に座っていた。私はまだ玄宅寺公演に行けていないので、この娘たちの踊りを生で観たことがない。今のこの娘たちだからこそ、あの伝説の『江津湖音頭』を踊ってほしい!と願っている
さて、二部のトークコーナー。熊八さんをMCに年長さん4人のサイコロトーク
このサイコロを
放って
出た目のお題でトークをする
お題はこちら
午前の部、熊八さんが「今回は年長さん4人で」と言ったので、え!午後はこわらべが出るの?と思ったら、午後も無事に(?)年長さんだった
こんな難しいトーク、れいなちゃんや きみちゃんがやるとしたら……見ているこっちも喉から心臓が飛び出してしまう(笑)
実際、年長さんの最年少・ゆりあちゃん。緊張で目が泳いでいて、開口一番「ゆりあちゃんダイジョーブ?」と熊八さんにいじられていた
当たったお題は
月若さん → 今がんばっていること。しばし考えた後、「暑さに負けずがんばってます」とゆる~いスタート(笑)
あかねちゃん → 一億円もらったら。「貯金します」花童のさくらさん(と私が勝手に言っている)根っから生真面目
月桃さん → 一億円もらったら。「私も貯金します」という答えは熊八さんに許してもらえず「……お世話になってる人達にお礼します」
この娘たち、ホントにマジメ ーーー そこがいいんだけど(笑)
ガチガチの ゆりあちゃん、よりによってお題は→ 自由。客席から募った質問は「花誠先生ってどんな人?」―ーー 紅潮した頬でしばしの沈黙の後「厳しくて優しい人です……」
厳しくて優しい、は指導者や先輩を誉める時の定番の表現。でもゆりあちゃんは借り物じゃなく、自分の気持ちでこの言葉を導き出したね
午後の部
月若さん → 自由。熊八さんが最前列の準こわらべちゃん達に質問を振る。三人額を集めて相談するもまとまらず、後ろからお母さんが「好きな食べ物は?」―ーー 月若さんきっぱりー言「きゅうりです!」ん? ここにも河童がおったぞ(笑)
あかねちゃん → ここがすごいぞ花童。「髪と化粧を自分でしていることです」
月桃さん → 一億円もらったら。「さあ、面白くなりましたよ」と熊八さん「貯金はダメですヨ」。そして月桃さん、しばらく困った後「花童の劇場を造りたいです。ファンの人がいつでも花童の踊りが観られるように。二階は稽古場にして、稽古する姿も観てほしい」ーーー お見事です!追い込まれて最高の答えを産み出したね!
ゆりあちゃん → あかねちゃんと同じ、ここがすごいぞ花童。答えは「踊りで人を笑顔にさせること」ーーー ゆりあちゃん、トークのコツを掴んだかな(笑)
さて、このトーク中、熊八さん「花童の踊りは多彩ですよね。ピンクレディもあったし、恋も踊れるんですってね」
え? そうなの!?
もし花童の恋ダンスがあるのなら、それは是非とも観てみたい! 戦後すっかりアメリカナイズされてしまった日本人の踊りーーー 日本舞踊の美しさを魅せつけるような恋ダンスが観たい!
昔、ひばり・ちえみ・いずみ三人娘が初めて共演した音楽映画『ジャンケン娘』ーーー 劇中、三者三様のバタくさいポップスが歌われる中、クライマックスは ひばりさんのしっかりと仕上げられた日本舞踊だった。これだよ、これが日本の音楽映画だよ!と私は快哉した
この日の演目、クライマックスは『北岡祇園夜曲』
華やかな大群舞、誰を観ても美しい
背中には各自の名前の入った団扇
演舞中、数人が客席脇にこぼれ出た。私のすぐ傍で
かなちゃん、れいなちゃんが踊っている
突然目の前に現れたこの光景、かなちゃん・れいなちゃんが私のために踊っている!(と勝手に思った)
手を繋いで踊るこの姿
これぞ私の『恋ダンス』