空はどこから

地味に日記を書いていきます

新宿、猿まつり ~ さるはげフェスの話

対バンイベント、久しぶりだ。大好きなユニットが休眠状態になって以降、ライブハウスに行ってない

それにしても、今回のイベントは大きいぜ
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漫画家・しりあがり寿プロデュース『さるハゲロックフェスティバル2018~10週年スペシャル!!』
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新宿ロフトにて。猛者は1月20日(土)16時オープニングから21(日)5時の打ち上げ終了まで参加。その後、始発で帰るらしいf:id:faimil:20180122175459j:image もちろん私たち夫婦にそんなガッツはないから、ちょんの間参加。冒頭の写真は21時前の「さるハゲロック・オールスターズ」(中締め?)、演者がステージに集結!
f:id:faimil:20180122180038j:image下手二人目に我らが知久くんがいる

私たちがこのイベントに参加したのは、知久くんが出演していたから
f:id:faimil:20180122180243j:imageなんとこの日、特別にあの『らんちう』を歌う。会場はどよめき、一緒にロずさんだ(のは私だけではないはず)

終了後、とにかく明るいマネージャーさん(後述)に声がけして、欲しかった『セシウムと少女』のCDをゲットする

 

もう一つの目的は「パスカルズ」。インストゥルメンタルの14人ユニットで、ここには知久くんに加えて、同じく元・たまの石川くんも加入している
f:id:faimil:20180122181216j:imageステージ手前に円陣、周りを観客が取り囲む
f:id:faimil:20180122181239j:image知久くんの後ろにランニングシャツの石川くん。演奏中、打楽器の上にバチをポトン、ポトンと落とす、その音が音楽。昔とちっとも変わってない(笑)

パスカルズは大林監督の映画『野のなななのか』にも幻想的な音楽集団として客演している
f:id:faimil:20180122191632j:imageパスカルズは正にそういう楽団

ピアノの女性が玩具のようなピアノを膝に乗せている
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それが如何にも「行進する楽団」をイメージさせた
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ああ、芝生に寝転んでこの人たちの音楽を聞きたい

 

MainStageと扉を隔ててCurryStage。ここでは「さるフェス名物」のカレーを売っている。その脇で、しりあがり寿さん、松尾貴史さん、小野頼雅生さんの『カレートーク
f:id:faimil:20180122182059j:imageしりあがりさん、生で見るのは初めてだが、少なくとも鼻の大きさは手塚治虫に似ている
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松尾さん「動物の感覚でもっとも敏感に食べ物を感じとるのは嗅覚、サメでも何でも鼻が先端に付いている。だからまず香りで刺激するカレーは食べ物として優れているんです」 しりあがり「では、鼻をつまんだらうんこでも食えますね」 松尾「ただ、酸っぱいのと苦いのがあるから」……うん?

同じステージ、「トラ&アッキー」の迷曲
f:id:faimil:20180122184213j:imageおじさん二人が元気に足踏み、「ちんけまーん、ちんけまーん」と歌い、観客も合唱する(笑)

こちらは「サイモンガー・モバイル」
f:id:faimil:20180122184536j:image40代(?)の夫婦ユニット。私のお気に入りは『塩でなんとか』に『いぶりがっこ』。所帯じみてるのか(?)、食べ物ネタが多い。曲の終わりに必ず、開いた両手を突き出して「じゅう~」と言う。観客もマネをする。当然私もマネをする

 

これは青春のイベントである。四十代だろうと五十代だろうと、この人たちは青春を謳歌している。いつまで続くか分からないけど、好きなことをやっている

『インターナショナル』の曲とともにスクリーンが上がり、黒いヘルメットのー団が現れる。「俺たちは左翼だ!」―ーバリバリのハードロックをがなるのかと思ったら……ホンワカ フォークを奏でる

ああ、バカらしい。バカらしくていいや。バカらしいのが青春。バカらしいのが人生。キラキラしたもん勝ち―ーー

そんなフェスでした

 

締まりがないブログなので、過去ブログの再録。私たち夫婦の青春、「たま」について

……青春は終わらない?

  

 

▽▽▽▽▽

『知久くんに会えた日 ~ 知久寿焼さんのこと』
2015-02-02
 
どうだい、この幸せそうな羊たち
f:id:faimil:20180122170036j:image真ん中は誰かって?
ほら、「たま」の知久くんだよ

たまのメンバーが解散後もそれぞれの音楽活動をしているのは知っていた。

昨年『たまの映画』というドキュメンタリー映画を観たときに『たまははき~居酒屋ライブ』というDVDを買っていた。
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早い内に知久くんのライブを観ておこうよ、
と夫婦で話し合っていた。
――なお、私たちの方が年上なので、独身時代以来の親しみを込めて「くん」付けで書かせていただく。

元々、私たちの音楽の好みは一致していなかったのだが、ズバリと一致したのは「たま」だった。
まだ独身の頃、ふたりで初めて行ったライブが札幌の たま。
その後、友部正人さんとの2マンも観た。

関西に住んでいた頃は大阪に観に行った。
吉田戦車さんのマンガ『ぷりぷり県』とのコラボはこの頃だ。

北海道の地方にいた頃は、美幌町の公民館で観た。
私は無精者である。「たま」だから行った。


芸能人を見慣れない地方の人が実物を見た時、よく浮かぶ感想……
「ホントにいたんだ!」

知久くんを初めて見たとき、不思議な気がした。
背中にチャックが付いていて、別の生命体が出てくるんじゃないか、と思った。
その頃は幼児のような服装、いわゆるガラモンスタイル。
小柄なイメージがあったが、実物は大きい。石川くんと変わらないくらいである。その存在感――

だから、私は思った
「たま」って、ホントにいるんだ
そして、隣りの連れに囁いた。
知久くん、大きいね……


今回のライブは東京足立区、梅島Yokotopia、閉店記念ライブということだったから、このライブハウスは今はない

 終演後、ステージ上で楽器を仕舞っている知久くんにオズオズと声を掛けた。
話すのは初めてなのだ

知久くんは気軽に応じ、一緒に写真を撮りましょうと肩を組んでくれた
イカ天以来のファンです、〇〇も観ました、〇〇も行きました」
「もう、すっかり汚いジジイになっちゃって……」
知久くんは前歯が一本抜けた顔で笑った。
……お互いさまですよ(笑)

 
物販のテーブルにはマネージャーさんがついていた。
会場の最後部にいた私がちらちら見ると――この中年女性は、知久くんの歌に合わせて身体を揺すって踊っていた。
ドキュメンタリー映画にも登場してましたよね?」
あっはっは、と嬉しそうに笑った。
知久くんのことならいくらでも話したそうだった。
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音楽を好きな人が音楽を歌っている
音楽を好きな人がそれを支えている
音楽、音楽、音楽……
知久くんは私たちの音楽である
四半世紀に亘り知久くんの音楽が好きだった私たちは、この日ここにいた。

 

この思いを表現するのにぴったりの曲がある
歌詞を要約して紹介しようと思ったけど、略せなかった
長いけどそのままで


『ちょっと今ココだけの歌――知久寿焼

へんな声で歌うこの人の歌を聞いているあたし/あたしは今ここにいる/
こんな声で歌うこの僕の歌を聞いているあなた/君は今ここにいる/君は今ここにいる/僕は今ここにいる

ここにいまいながらにして夢の中の人もいる/頭の中身がよそに出かけちゃってる人もいる/とりあえず今は/今はいっしょにここにいる/どんな間柄にしても今は一緒にここにいる

こんないい気分で歌うこの僕の歌を聞いているあなた/君は今ここにいる/僕は今ここにいる

ちょっと今ココだけのことだけどみんなちゃんとここにいる/

へんな声で歌うこの人のうたをきいているあたし/

私は今ここにいる
……

 
今年4月、『セシウムと少女』という映画が公開される。
知久くんが主題歌を歌うそうだ。
その曲が披露された……


十万年経ったぼくらは
恥ずかしいままなのかな♪


放射能まみれで豊かさを求める私たち

それを「恥ずかしい」と表現する言葉の感性……


知久くん、参りました

 ▽▽▽▽▽

 

今回のイベントで入手した『セシウムと少女』のC D
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その歌詞(抜粋)

♪きみは嫌われ疎まれながら 僕らのホントを教えてくれた

きみは嫌われ疎まれながら ぼくらのウソをあからさまにした

いつまでも残るきずあとは かなしいきみのおくりもの

ぢうまんねんたったら ぼくら

もすこし賢くなってるのかな

ぢうまんねんたってもまだ

はずかしいままなのかな……