白山、雨の根性踊り
この日、奉納祭りの開催予定は文京区、白山神社だけだった
天気予報は雨のち曇り、降水確率40%……だから、降るのか降らないのか、どっちだよ!?
降水確率のなかった時代には「所により雨」っていう表現があった……だから、所ってドコだよ!?
いやいや、これは八つ当たり。雨模様なのは分かっている。知りたいのは盆踊りをやるのか、中止か、そのことだけだ
私の家は葛飾寄りの県境――文京区はいささか遠い
取りあえず行ってみよう、と雨の中、車を走らせる
盛んに動くワイパーを見ながら「文京区では止んでるかも知れないね」って、そりゃ無理だよ
雨に濡れた街中のポスター
初めての場所はいつも駐車場で迷う。知らない街を車でうろうろするのは大変
神社まで1キロくらいあったけど、広い駐車場があったから突っ込んだ。
テクテク……途中、ほうろく地蔵
なんと八百屋お七を祀った地蔵さんだった
雨の街には祭りのムードがなく、不安を抱えつつ鳥居前へ
浴衣の姐さんを見かけてホッとする
地元の人が浴衣で出かけるなら、何かは行われるのだろう
境内
所縁は分からないけど孫文先生の碑
東京である。現代史上のいろんな出来事が、この都の各地で起こっていたんだろうな
シーサーみたいなこま犬、眼が金色。円谷プロなら光線が出そうである
ここでも見つけた神社猫。2匹いたけど、撮る前に逃げられた
露店は開いていた。本部に人もいる。雨の中、ヤグラがぽつん
雨足は収まらない
そして、開始予定時刻17:30が近づく
スピーカーから音楽が流れる――カッパを着たおじさん・おばさんが二人、中央に飛び出して踊り出す
浴衣の姐さんが傘を差したまま踊りに続く
ファイミル夫妻もすわ!とばかりに傘を掲げたまま東京音頭
参加者が徐々に増え出す、カッパどころか傘も差さない踊り手もいる
ハッピをずぶ濡れにして踊り狂う若衆、白いワイシャツのサラリーマン、浴衣のおあ姐さんは頭に手拭いを巻いただけ――その姿の何たる風情!
ファイミル夫妻も傘を放り出す
ずぶ濡れになるにつれて、ヤケクソのように身振りはどんどん大きくなっていった
アヤのないストイックな踊りを心がけているファイミルも、八木節でダイナミックに腕を振るう
踊る阿呆って、こういうことを言うんだろうな
空はどこから?
空も地上も全部雨だよ!
曲の合間にアナウンスが流れる
「本日の盆踊りは中止となりました。6時の抽選会までの間、僅かな時間ですが踊りをお楽しみ下さい」
たった30分、されど30分、時を惜しんで全力で踊る
「あと10分となりました」
「あと2曲となりました」
曲の合間にアナウンスが流れる。踊りの輪はヒートアップしていく
カッパ姿の小さな姿が目に入る
踊るおばさん達の間に、雨小僧が二人
一周廻ったら……
一人増えてた(笑)
他にも曲は用意していただろうけれど、時を惜しんで流すとすれば、やっぱり定番曲が並ぶ
東京音頭・炭鉱節・八木節
「最後のー曲となりました」
――ご当地音頭、葛飾は葛飾音頭、墨田は墨田音頭、荒川は荒川音頭
締めのー曲は、大抵こういったご当地音頭だ。ここは文京区だから文京音頭があるんだろうな……と思っていたら、やっぱりあった
かくて約束の6時。シートに包まれて大切に太鼓が運び出され、あとは抽選会
何しろ参加者が少ないので、踊っていると抽選券をいっぱい渡された
特等商品二本、折り畳み自転車は……無事、地元白山の子供達に当たった
ファイミル夫妻、あんなに券を持ってたのに4等がー個w
かくて――
愉しかったね!壮絶だったね!
ヒーターをつけた車の中、ゼリーを摘まみながら、ご機嫌で帰路についたのであった
白山神社の根性踊り、ありがと~(笑)