盆踊りのはじまり
きっかけは川口散歩からの帰り道だった
万歩計で1万8千歩……惜しいねえ、どうせなら2万歩に乗せたいよねえ
帰りの車内、カーナビを眺めていて
「あ、西新井大師、ここ行こう。2千歩くらいは稼げるぜ」
お寺の壁が見える駐車場に車を止めて、どっから入るんだろうとウロウロ、それが午後6時。微かに聞こえる祭ばやし、どことなく空気がザワついている
あれ!お参りどころじゃないよ
盆踊りやってる!
後で分かったけど、これは15日の本番に向けての練習会だった
お年寄りの一団が輪になって踊っている
太鼓役は子ども達、全身を躍動させて力いっぱい 叩いている
一瞬、子どもに労働させて娯楽に耽る大人たち――という構図を思い浮かべたのは……私の性格の悪さだろうw
初めて「東京音頭」の踊りを見た
昭和初期の歌謡曲は好きなので、勝太郎姐さんが歌うオリジナルはずっと聞いていた
「東京にはふるさとの音頭がない」という東京市民の嘆きを受けて、昭和初期に作られた名曲
爆発的にヒットして、この曲が流れると交通整理のお巡りさんまで踊りだして大騒ぎになった、と聞いたことがある
他には「炭鉱節」――これも踊りを見るのは初めて
「チャンチキおけさ」――若い頃スナックのカラオケで歌ったなあ
「スカイツリー音頭」は聞くのも初めて。日本人って何でも音頭にしちゃうんだねえ
腕を高く上げてツリーに見立てる振り付けが笑ってしまう
こうなるとファイミル夫妻、じっとしてはいられない
輪の外で懸命に振り付けをなぞっていたけど……
ええい!入っちまえ
踊るファイミル
やっぱり、盆踊りはたまらんな~、と踊りつつ
――今更ながら何故?と思った
東京近郊に暮らして8年にもなるのに、何故一度も盆踊りに行かなかったのだろう
関西では河内音頭、盛岡ではさんさ踊りにすっかり夢中になっていたのに
きっと東京が……嫌いだったんだろうな
東京=都会、というイメージに捕らわれ過ぎていた
東京って、実は厖大な「下町」の集合体なんだ
休憩時間に散策
参道のタ景、もう店じまい
お大師さま=空海さん
当然銅像もある
八十八ヶ所大師堂
四国八十八ヶ所の石が埋まっている。ここをー周するだけで巡礼のご利益が?
おおらかな宗教観、日本人ってホント、いい加減だねw
日々ならぬ喧騒にびっくり、身を潜める地域猫
そして夜は更けゆく――
飽かずに踊る都民たち
そして
飽かずに踊る道産子ファイミル
かくて時間いっぱい踊り回ったファイミル夫妻、もう盆踊り依存症
その後、精力的に(?)盆踊り会場を訪ね歩いた……いや、訪ね踊った
そしてこの夏、とびきりの「東京」
昭和初期の面影を色濃く残す、「愛しき東京」と出会うこととなった
その話は、また後日――