銀の滴、金の滴 ~ こわらべ旅情
次に花童の舞台を観るのは3月末の仙台である。それまではYouTubeを観ながらわずかな記憶を辿るしかないのである
『長崎旅情』――これは2月の初午をどりで初めて観た
かなちゃん・れいなちゃんが大きな銀の玉がついた杖を持って登場する。首まわりで白い襟がひらひらしている
これ、オランダ風の飾りなのかな。長崎だもんな――長崎、出島、オランダ、カピタン、かすていら――行ったことない。私が長崎に持っているイメージってそんなもの
あの玉はなんだろう?
龍の玉じゃないの?ほら、龍の舞いで先頭に玉を掲げるでしょ、と妻。こちらも北海道育ち。カピタンの襟(西洋)と龍の玉(東洋)――うーん異国情緒だねえ、と何も分かっていない
さて、かなちゃんと
れいなちゃん
YouTube動画では2012年から登場する。さすがに幼かった。幼いゆえに良く似ていて、最初は見分けがつかなかった
「双子じゃないかな」と夫婦で話していた。
「じゃあ、金ちゃんと銀ちゃんだね」――当人たちに知れたら怒られそう
もちろん今ははっきり見分けがつく。ダイナミックに踊る「動」の かなちゃんと、柔らかな物腰の「静」の れいなちゃんである
東日本大震災七回忌追善公演(3月29日)まであと10日あまり
仙台の舞台で何を演るかな?と考えたりする
『おてもやん』は熊本の看板曲、まずこれは演るだろうな。これに『あんたがたどこさ』も絡めるかも知れない。『五木の子守唄』はどうだろう――東北の人が間違いなく知っている「ザ・熊本」はこの辺だろう。
締めの曲は『三百六十五歩のマーチ』と予想する。熊本出身「水前寺」さんの名曲だ
清正公さんを称える曲も良いと思う。どちらも城下町、熊本にとっての清正公、仙台にとっての正宗公――城下町の人々の名君を誇る情緒には相通じるものがある。これが岩手となると、殿様よりも宮沢賢治、もう何かっていうと賢治と銀河(笑)
『くまもと音頭』の冒頭の歌詞「杜の都の名物の~♪」を聴いたとき、あれ?と思った。杜の都って仙台じゃなかったっけ?
杜とは、「森」に対しての「里の自然」のことらしい。自然豊かな城下町――熊本は確かに「杜の都」である
長崎旅情――今は玄沢寺での動画がアップされていて、繰り返し観ている
長崎の異国情緒、私には異国過ぎて曲の由来も何も分からない
では、北海道らしい「異国情緒」って何だろう?
勝手に思うのは……
銀のしずく ふるふるまわりに
金のしずく ふるふるまわりに
この二人がもし、アイヌの装束を纏って踊ってくれたら、さぞかし可憐だろうな、ピリカ(美しい)だろうなあ
道産子の私は、そんなことを夢想したりするのである