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空はどこから

地味に日記を書いていきます

お多福、獅子舞、盆踊り

自称、葛飾柴又の住民(実は県民)ファイミル夫妻、盆踊りを求めて遂に23区を飛び越えた――小平市、武蔵野神社の祭礼、しかも盆踊り(正確には「奉納踊り」)はお祭りの一部で一時間のみ

ホントにいくの?

一度行ってみないと分からないから……

それが10月初旬のことだ

 

小平市、武蔵野神社。ここは猿田彦を奉る珍しい神社

そして鈴木囃子(ばやし)という無形文化財がある

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いきなり目についたのは、山門の脇でお囃子に合わせて踊るお多福さん

参道は正に縁日状態。光の街が出来たよう

f:id:faimil:20161101082602j:imageその一方で、本堂周りはうす暗い。まずはシャランシャランと参拝する。脇に大きな猿田彦の立像。猿田彦の像を見るのはたぶん初めて。フラッシュ焚いて写真撮ろうかと思ったけど、なんだかバチ当たりな気がしてやめた

猿田彦は天狗の元祖。私が初めて猿田彦を知ったのは手塚治虫の『火の鳥・黎明編』だった。当時中学生の私は「大河もの」を読んだ、という充実感を覚えたものだ

 

盆踊りをするはずの広い境内はコーンと紅白ポールで簡易なバリケードが作られパイプ椅子が並んでいる。ステージ上ではフラダンスなどのショーが披露されている。バリケードの周りには見馴れた盆おどらーがちらほら

オニッポリ君に姫香さん、若さんいとさん、小金治さんにブーツさん、町会さんに野球部くん……揃いの浴衣のおしどりさん(中年ご夫婦)もよく見掛けるなあ

 

まだ盆踊りまで1時間以上ある。どうやって時間をつぶそうか、と山門に戻ると
f:id:faimil:20161102185435j:image鈴木囃子の櫓には白狐が登壇している

ずばり、カッコいい!

周囲を見下ろし、人間どもを睨め付ける

f:id:faimil:20161102190715j:image時に櫓から身を乗り出して威嚇する

鳴り続けるお囃子、笛も鉦も太鼓もすっと次の者が現れて交代する。音曲は全く途切れない

狐の足元に、鬼瓦のような赤い顔が見える、すっと立ち上がると獅子舞だ。そして狐は幕の裏へと消えていく。異形のもの達の登壇も決して途切れることはない

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……因みに、斜め前から見ていた私は、裏の休憩所に戻った白狐がそのカッコのまま、しゃがんで扇風機に当たっているのを見て笑ってしまった

さて獅子舞、噛まれると厄除けになる、というのは日本民族の常識。しばらくすると子供を抱っこしたお父さんが櫓下に近寄っていく。獅子さん、屈んで子供をパクン

そうなると、遠巻きに眺めていた子供達、わらわらと近寄ってくる

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獅子さん、ご丁寧に子供達の伸ばした手を余さずパクンパクン……まるでゆるキャラ、一人ぐらい怖がって泣けよ、と思っていたら最後に抱っこされた幼児が盛大に泣き出して、なんだか嬉しかった(笑)

 やがて獅子の後ろに現れたのは……これは可愛い!お多福姉妹。妹は小学校高学年くらいか、踊る姿も初々しい

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――と、獅子舞で味をしめた子どもが櫓の下に寄ってきて手を伸ばした

えっ?どうしたらいいの?

小っちゃいお多ちゃん、まごついてもじもじ(汗)――お面の下の羞じらう表情まで見えるようで、それはもう愛らしかった(笑)

途切れることなく、いつ果てるとも知れず、繰り返される囃子と舞い、その光景を眺めていると、頭が茫然としてトランス状態に入っていく

なるほど、鈴木囃子――「神事」である

 

おっと、そろそろ時間だ。盆踊り――

広場は最後のステージが終わったところ。「会場の準備にしばらくお待ちください」とスタッフさん達がパイプ椅子を片付け始める。目の前で若さん・いとさんがバリケードを外している。いとさんは胸に何本もポールを抱えてステージ裏に運んでいった。あれ?ここが地元なのかな、と思ったけれど……要するに早く始めたくて、いそいそとお手伝いしているのであった(笑)

ステージに揃いの浴衣が並ぶ。地元JAの職員さんらしい。習い覚えた武蔵野音頭を踊り出す。これはかなり新しい曲で、振り付けがいかにもイマふう、ハートを作る萌えポーズみたいなものまである。レパートリーを増やす意欲のない私は見物、妻は一所懸命踊って、感想――なんか、リズム体操みたいだった

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飛び入りさんはこれをどうぞ、と首にかけるピンクの布を配っている。これは「小平音頭」でくるくる回して使う

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そして盆踊りの定番、東京音頭・大東京音頭・八木節・炭坑節――JAの姉さん達は武蔵野音頭しか練習していないらしく、炭坑節では私を手本にして後ろについてきた……ファイミル、初めてのお師匠さん(笑)

会場は大盛り上がりだが、延長してもらえる訳もなく、一時間はあっという間

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「最後の一曲は恒例の――好きになった人!」

おおー、葛飾の町内会盆踊りの記憶が甦る。でもこの曲には2通りの振り付けがあるらしい。パートナーが次々とチェンジするバージョンと固定バージョン

この会場は固定バージョン、ファイミル夫妻も参加する。でも振り付けが覚えられないまま終わっちゃった。「来年もいらっしゃいね」と妻が隣のおばさんに話しかけられていた

振りを覚えられなかった原因は、余所見をしていたから――おしどりさんはもちろん夫婦で踊っている。ブーツさんは町会さんと組んでいる。オニさん・姫さんも楽しそう

そして、若さん・いとさん――手のひらを合わせて踊る姿は二輪の朝顔が触れあうように爽やかだった……

 

帰りの車中。「来年どうする?」

う~ん、もし来るとしたら――いっそ明るいうちに来る。そしてぼう~っと鈴木囃子を眺めてトランスに浸る、そのあと盆踊り……合わせて一本だな

もちろん、先ずは猿田彦の命にご挨拶してからね……