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空はどこから

地味に日記を書いていきます

墨田のはしご踊り~プラモさんのバハマ

牛嶋神社の奉納祭りは、墨田区各地の町内会で一斉に開催される

ここはスカイツリーのお膝元、どこでもドアならぬどこでもツリー

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牛嶋神社を初めて参拝したのは数年前だ。浅草寺で初詣の後、スカイツリーまで歩こうか、までは良かったが言問橋でケンカとなり、憮然としながら参拝した

だから我が家では「ほら、あのケンカした神社だよ」と言えば牛嶋神社を指すことになっている……というのは、なんの自慢にもならない

f:id:faimil:20160924005130j:image 神社の牛さん

町内会毎、ということは、一つ一つの盆踊り会場は小さい。そしてどこかの盆踊りに辿り着けば、路地の向こうに隣りの盆踊りの提灯が見えるということだ

参加してみると、会場毎にビミョーに雰囲気が違う――かくて、隣りはどうかな?とハシゴ踊りをすることになる

一件目、ここは6時スタート、開始が一番早い。公園を利用した会場には充分なスペースがあり、家族連れやカップルが石段に腰掛けて焼きそばなんかを食べている。祭りの雰囲気はあるけれど、踊っているのは揃いの浴衣のお姐さんばかり

f:id:faimil:20160928165747j:imageタムロする子供達、何故踊らない?盆踊りには世代のギャップがあるのだろうか

浴衣のお姐さん(昔の娘さん)に一緒に踊りましょうと手招きされて、妻は輪に入ったけれど……この曲、知らない

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運動公園でもやってるはずだよ、と妻のSNSデータを頼りに10分ほど移動

f:id:faimil:20160928181621j:imageここは見事に広々とした公園で、地元の人達が思い思いに寛いでいる。でも盆踊りの徴候はカケラもない――間違い情報だった

妻が調べたところによれば、広報に載せたがらない町内会も有るらしい。だから、盆踊り情報は意外と不確かなものが多い

盆踊りは地元の祭礼。余所者が大挙するのを好まない。心情として良く分かる

かつて関西にいた時、岸和田のだんじり祭りを見に行った。これは勇壮で一歩間違うと危険な祭り。祭りを警護する地元住民とルールを守らない観光客との口ゲンカを見た時「余所者、お前が悪いよ!」と思った

祭りは地元のものなのである

さて、とにかく歩けば盆踊りにぶつかるよ。と探した二ヵ所目

ここも踊っているのは揃いの浴衣のおばさんたち――

f:id:faimil:20160928165710j:imageもっとも、まだ口開けの時間帯。踊り手は徐々に増えて、クライマックスに向かうのだろう

踊り手と違って太鼓には子供や若者が多い

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この町内の太鼓と鉦は子供と若い娘さんたち。スレンダーな身体にフィットした祭り装束がなんとも愛らしかった

一方こちらの町内会は、生足のお姐さん f:id:faimil:20160928221648j:image色っぽ過ぎるぜ(汗)

 墨田区だから、ご当地音頭でスカイツリー音頭はやるはず、とYouTubeで練習していったけど、この音頭、振り付けが2種類あるんだね。勝手が違ってオロオロ

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最後に訪れた町会で、やっと練習した方の踊りを見つけた。最後に皆で手を上げて真ん中に集まる振り付け

 f:id:faimil:20160928221445j:image得意になって参加

 振り付けが違うといえば「毬と殿様」も2種類ある

私の苦手な「バハマ・ママ」――そのまま炭坑節の振り付けで踊っている町会があって、大喜びで参加した

実際、4拍子の曲であればそのまま盆踊りに乗せることは可能で、私はラジオ体操の歌で東京音頭を踊ったりしている

町会毎に選曲はアレンジされていて、今年の目玉はキャリーぱみゅぱみゅ、という処もあった。婦人会のおばさん達、練習会でがんばって覚えたんだろうね

恋するフォーチュンクッキーはけっこう定番化されている。元々みんなで踊りましょうというコンセプトの曲だから輪踊りにも合っているのかも知れない

荻野目洋子ダンシングヒーローもあちこちで踊られている。30年も前のダンスミュージックが手拍子しゃんしゃんの盆踊りにアレンジされて残っている――当時青春期だった私にとって、何とも不思議な感慨がある

私がバハマ・ママを苦手、という理由――それはこの曲の振り付けが尻振りダンスだからである。でもこの踊りは若い人には人気で、これが掛かると踊りの輪に若者が増える

浴衣は着物の簡易版――浴衣姿でカジュアルに日本舞踊を楽しみましょう、というのが盆踊り

だから私は盆踊りに、その手捌き足捌きに日本芸能の美しさを見たい。私の知る限り、尻をくねらせる日本舞踊なんてない 

 日本は戦争でアメリカに負けてから、尻を振る民族になってしまった――という私のボヤキは「あんたウザイのよ」という妻の一言で一蹴される

さて、踊りの輪の中に、穴八幡での無気力姐さんのような女性がいた。紺の浴衣を粋に着こなし、手捌きも優美だが動きは小さい

つるりとした顔立ちと稼働域の狭さ――勝手にプラモさんと名付けてみた

私はバハマが掛かると輪から外れる。さて、プラモさんは?と見ると――器用に振り付けをなぞっている。でもお尻は振らない。膝を曲げて腰を左右にカクカク折るのである――

なるほど、これが日本舞踊の応用なのか

これなら、見ていて美しい。抑制された色気がある

そのプラモさんを飽かずに眺めていると「あんたウザイのよ」と妻に二蹴された

 

さて、時刻も8時半を廻ってくる、あちこちの町会がお開きになっていく

終了間近、神社の境内に辿り着いた

f:id:faimil:20160928221920j:image盛況で、輪に入り込む隙間もない

ぼんやり眺めていると、最後に締太鼓の演技があって9時終了

踊れなかったけど神社の出口で

f:id:faimil:20160930185626j:imageお菓子もろた

 楽しかったねえと駐車場に戻りかけると、微かに祭り囃子が聞こえる

なんと、9時を廻っても踊っている町内会があった

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終焉に向けてヒートアップする踊りの輪
ここの町会には生きのいい若衆が大勢いて、空気全体がどよめいている

幹事の兄さんが最後に挨拶「明日も演ります。雨が降っても演ります!」

その威勢は甲子園に駆けつける地元の応援団長のようであった

9時半もはるかに廻って……祭りのあと

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私が生まれ育った北海道の田舎町では、こんな町内会盆踊りはなかった。小学校のグラウンドでの役場の盆踊り大会があったことだけ、微かに記憶がある

この墨田区で地元住民として踊りに加わりたかったなあ、と思いつつ……

翌日に続く